京都教区について

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京都教区について

京都教区教化委員長・京都教務所長/日野 隆文

「2020年度に当たって」

1.はじめに
 世界中で猛威を振るう新型コロナウイルス感染症によってお亡くなりになられました全ての方々に深く哀悼の意を表すると共に、ご遺族の皆様、現在療養中の皆様、そのご家族と全ての関係者の皆様に心からお見舞い申し上げます。また、この大変厳しい事態の中で、昼夜を問わず覚悟をもって治療や検査にあたってくださっている医療従事者の方々をはじめ、私たちの生活を支えるために、現場に立ち続けてくださっている全ての皆様に対しまして深く感謝申し上げるとともに敬意を表させていただきます。
 また、一方で去る7月上旬の九州地方を中心とする令和2年7月豪雨災害によりお亡くなりになられた方々に哀悼の意を表するとともに、そのご遺族並びに被災された全ての皆様に対しまして心よりお見舞い申し上げます。

2.門首の就退任について
 既報のとおり去る2020年6月30日をもちまして大谷暢顯真宗大谷派第25代門首が退任され、7月1日から大谷暢裕門首後継者が真宗大谷派第26代門首に就任されました。大谷暢顯前門首におかれては「僧侶及び門徒の首位にあって、同朋とともに真宗の教法を聞信する」という新宗憲の定めのもと、1996年7月31日から24年間に亘り、私たち僧侶・門徒を代表して宗祖親鸞聖人御真影のお給仕、両堂の仏祖崇敬のお役目を絶えることなく全うしてくださいました。ここに皆様と共に厚く御礼を申し上げます。
 また、第26代門首に就任されました大谷暢裕門首におかれては、前途多難な宗門の状況、さらに混迷を極める時代社会の中で、教法聞信・本廟護持の象徴たる地位において、今後、私たちの先頭に立って宗門存立の目的を果たしていただくことになります。加えて、このたびの門首継承に伴いまして大谷暢裕門首のご子息である大谷裕鍵役が新門となられ、海外の別院住職を補佐する開教司教にも就任されたことであります。
 なお、新門首の就任に係る大切な儀礼式である門首継承式につきましては、本年11月20日に執行される予定であります。

3.新教区の発足について
 1934(昭和9)年以来、実に86年という長きにわたり、30教区体制のもとで紡がれてきた宗派の歴史は、「教区及び組の改編」が結実し、去る7月1日に岐阜高山教区並びに九州教区という新教区が発足いたしました。これにより、2020年度から25教区、394カ組の体制で始動することになりました。
 また、「奥羽教区と山形教区と仙台教区」及び「富山教区と高岡教区」におきましては、既に地方協議会での合意が完了し、東北3教区においては2021年度に新教区の発足が予定されています。
 なお、宗派では2023年度からの17教区体制を目指す地方宗務機関の改革のみならず、宗派の実勢を見定め、その規模に合わせた宗務機関に縮充化するため、全ての機関の再編成を行い、将来に向けて持続可能な体制を目指す行財政改革が断行されてまいります。

4.2019年度収納報告について
 2019年度の京都教区への宗派経常費御依頼額は2億4,391万6,000円でありました。それに対しまして2億5,940万8,642円、率にして106.3%のご進納をいただくことができました。全国への経常費総御依頼額につきましては、52億5,300万円に対しまして、54億4,112万9,577円であり、率にして103.5%のご進納でありました。
 また、2019年度から2022年度の4カ年度にわたる京都教区への慶讃懇志金総御依頼額は1億3,299万4000円であり、内2019年度においては4,353万5,526円、率にして32.7%のご進納をいただくことができました。全国への慶讃懇志金総御依頼額は29億円であり、内2019年度においては11億6,615万6,679円で、率にして40.2%のご進納でありました。
 寺院を取り巻く環境が大変厳しくなる中、経常費の御依頼と慶讃懇志金との並行募財に加え、さらに新型コロナウイルス感染症の影響下にもかかわらず、経常費御依頼額を超過完納いただきましたことは、偏に宗門に憶いを寄せてくださる住職・教会主管者、門徒各位の法儀相続、本廟護持の御懇念の賜と厚く御礼申し上げる次第であります。

5.2020年度宗派一般会計予算並びに新型コロナウイルス感染症の影響に対する2020年度宗派経常費総御依頼額の減額措置について
 2020年度の宗派一般会計予算は経常部・臨時部合わせて80億7,100万円であります。このたびの2020年度宗派一般会計予算の編成においては、事業の見直しによる経費の削減及び事務制度の改変や簡素化等により、当初より大幅な圧縮予算を策定することを方針として本年1月から着手されておりました。そして、その予算編成作業の終盤に新型コロナウイルス感染症の感染拡大が起こり、様々な活動が制限されるなど、社会全体が甚大な影響を受ける事態となりました。全国の寺院・教会の諸行事・教化事業・法務は中止や延期を余儀なくされ、大切な仏法弘通の場である通夜・葬儀、法事などの仏事も状況を見極めて慎重に執行しなければならないという大変厳しい状況が続いておりました。
 こうした全寺院・門徒への影響が甚大であることを踏まえ、2020年度の予算編成においては、さらなる歳出の抑制・削減を強化し、平衡資金から2億7,000万円の融通を行うと共に、全職員の人件費を削減することによって全国への経常費総御依頼額を前年度に比して約10%に当たる5億円を減額する措置が講じられ、去る6月開催の宗会で2020年度予算が可決成立いたしました。
 しかしながら、その後も感染症の感染拡大は収束することなく、世界の感染者数は1,000万人を超え、死者数も50万人を上回る事態となり、日本においても特に首都圏では感染拡大が再加速し、第二波の襲来が危惧されております。このような中、今後も全国の寺院・門徒に多大な影響が続くと予想されることから、この難局を乗り切るため、年度途中に宗会臨時会を開催して補正予算を編成することを前提とし、経常費総御依頼額をさらに5億円減額して、2019年度に比して10億6,466万円減額の総額41億8,834万円(前年度比約20%の減額)とすることが内局の責任において決断されました。
 したがいまして、2020年度の京都教区経常費御依頼額は、これまで京都教区に対して採られてきた段階的な減額措置に加え、さらに約20%の減額となるため、前年度比5,036万3,000円の減額となる1億9,355万3000円になったことであります。
 先行き不透明な感染症の影響下において、このたびの措置が十分な対応であるとは言い得ませんが、現在の宗派財政において精一杯出来ることとして出された対応策であると思いますので、何卒、ご理解賜りたく宜しくお願い申し上げます。
 なお、2019年度の宗派予算の歳入状況は、各教区への経常費総御依頼は103.5%の超過完納をいただきましたが、このたびの感染症の影響により、前年度に比して約6憶5,340万円の減収となっており、その影響は2021年度の宗派一般会計予算の繰入金が大きく減少するという形で現れることになります。

6.2020年度宗派の宗務執行方針について
 新型コロナウイルス感染症の影響により、2020年の宗会(通常会)は宗議会3日間(6月17日-19日)、参議会2日間(6月21日-22日)という大幅に期間を短縮した異例の通常会として、現段階で成立しなければならない案件に絞って開催されました。
 宗務総長演説において但馬総長は、このたびの感染症の影響下において、あらためて「教法伝承の願いに立つ」ということを念頭に置き、次のことを述べています。


(1)「真宗の仏事の回復」の意味をいただきなおすとともに、この状況下にあって、私たちが人間として生を受け、人生をいただく歩みの中で本当に大切なことは何であるのかということを尋ねてまいりたい」

(2)「親鸞聖人御在世の折にも、天災・飢饉・疫病が起こり多くの方が亡くなりました。宗祖ご自身も不安のただ中にありながらも、真実の教法を弛むことなく求めていかれました。まず、このことを憶念させていただきたい」

(3)「この感染症拡大という状況の中で、いわれのない差別・偏見を生み出してくる人間のあり様を見過ごさず、 -中略- あらゆる人びとを尊び出あっていく、聖人の「御同朋・御同行」の精神をあらためていただきなおさなければならない」

(4)「感染症終息後の社会がどのように変容しているのか、大きな危機感を懐かざるを得ない。昨今の仏事の簡素化や葬儀における僧侶不要論に拍車をかけるのではないかという不安が次第に増長している。しかし、このような危機的状況であるからこそ、大谷派宗門は念仏の僧伽の再興を願って慶讃法要を遂行し、来る慶讃法要の厳修につなげていかなければならない」

(5)「人と人が直接相対する場の大切さを根底に置きつつも、法話のネット配信、WEB会議や研修会の実施、あらためて脚光を浴びている掲示板や文書伝道など、教えが届けられ受け止められていくために、時代社会に相応した新たな出遇いの創出が求められている。それには一人ひとりの創造力が何よりも必要である。感染症終息後に備え、この時期をかけがえのない時とすべく大切に過ごしていかなければならない」

 以上のことが述べられた上で、この2020年度は、感染症の影響で不透明な状況ではありますが、その中でもしっかりと歩む年度とするため、まずは慶讃テーマ「南無阿弥陀仏 人と生まれたことの意味をたずねていこう」を世界に発信し、慶讃事業の施策の根幹となる3つの方針である:

(1)宗門の基盤づくり — 新たな教化体制の構築 —
(2)本願念仏に生きる人の誕生と場の創造
(3)あらゆる人びとに向けた「真宗の教え」の発信

を確認するとともに、慶讃事業への取り組みが進められてまいります。

 なお、感染症の収束が鍵となりますが、宗派では来年4月の春の法要に引き続き「真宗本廟お待ち受け大会」を開催し、慶讃テーマの願いと慶讃事業の3つの方針を発信・共有する機会とし、慶讃法要の厳修並びに教区慶讃事業の推進への歩みが進められてまいります。
 また、慶讃事業として掲げた5つの重点施策である(1)青少幼年教化、(2)教師養成、(3)寺院活性化、(4)真宗の仏事の回復、(5)本廟奉仕上山促進については、いずれも人との出会い、教えとの出会いを回復する教化事業であり、感染症拡大が収まった後、全国展開が可能となるよう、今できることに精一杯の取り組みがなされてまいります。
 とりわけ、2020年度から教区と企画調整局とのさらなる連携のもと、17教区体制を前提として、教区に寺院活性化支援室を設置するための助成も行われます。また、寺院活性化支援の中でも、過疎過密地域寺院教化支援については兼職寺院や寺院存続の危機に苦しまれている関係者の声を聞き取りながら、身近にある機会を活かした教化支援活動に資する取り組みがなされます。
 その他、重点施策等については、91頁掲載の『2020年度 真宗大谷派「教化研修計画」の基本方針について』をご確認ください。

7.宗派の財務方針と行財政改革について
 このたびの岐阜高山教区、九州教区の発足により20年来取り組まれてきた宗務改革の「教区及び組の改編」が結実し、これが行財政改革の端緒となり、引き続き2023年度からの17教区体制を目指して宗門の基盤整備が推進されてまいります。今回の改編を受け、2020年度は岐阜高山教区並びに九州教区に対する経常費御依頼額が減額され、さらに全国への経常費総御依頼額も宗務費の削減により2022年度まで毎年5,000万円減額されてまいります。
 また、宗務改革のもう一つの要である「門徒戸数調査」については、来る2022年に第4回目の全国調査が実施される予定であります。これら「教区及び組の改編」と「門徒戸数調査」の宗務改革の2本柱の継続的な取り組みに合わせて、将来に向けて持続可能な宗派ビジョンを見出し、今後想定される宗派の財政規模を見定め、慶讃法要後は経常費御依頼額を相当額減じていく方向に舵がきられます。
 そのため、これからの3カ年度の中で、宗門の実勢に既存の機構・構造を合わせていく作業を行い、宗門規模を主体的に縮充化していく方向で、2020年度からは教区及び組の改編で進められている地方宗務機関の改革のみならず、全ての宗務機関の再編成をはじめ、教えを次世代に繋ぐために必要不可欠な行財政改革が断行されます。
 その改革における具体的な課題として:

(1)相続講金や同朋会員志金、賦課金等の歳入構造の変成
(2)既成概念にとらわれない組織機構と各種事業の再編成
(3)特別会計及び各種資金を含めた会計構造の見直し
(4)将来の宗門規模に応じた人事計画の実働
(5)新たな宗派財源の確保

の5点があげられています。

 以上の5点を行財政改革における主な要素として、2020年度において行財政改革の内局原案(全体構想)の策定が進められ、2021年度中には、民間の外部有識者を交えた「宗門構造刷新会議(仮称)」を設置して、課題克服に向けた取り組みを進め、宗門全体がその将来ビジョンを共有できる環境を醸成していく努力が重ねられます。

 8.2020年度の京都教区宗務執行方針について
(1)2020年度教区教化事業計画について
 2020年度の教区教化業の方針については、新型コロナウイルス感染症の影響を考慮すること並びに新体制の教区教化委員会による従来の教区教化事業全般についての点検と見直しを行い、2021年度からの教区教化方針を策定することが確認されていることから、2020年度の教区教化事業は「得度学習会」や「教区同朋会議」などの最低限実施すべき事業を除き全て休止し、2021年度からの新たな教化方針等を見出していくための会議を中心に開催してまいります。

(2)教区慶讃事業への取り組みについて
 昨年設置されました「京都教区宗祖親鸞聖人御誕生八百五十年・立教開宗八百年慶讃事業に関する検討委員会」の報告書の提出(2020年6月18日提出)を受け、新たに「京都教区宗祖親鸞聖人御誕生八百五十年・立教開宗八百年慶讃事業推進委員会規程」、「同、特別会計規則」が制定され、本年度は京都教区の慶讃事業態勢を整えてまいります。
 新たに設置される京都教区慶讃事業推進委員会では、当該検討委員会の報告内容を受け止め、教区慶讃事業の実を上げるべく、取り組みを進めていただくことになります。既に宗務所の慶讃事業本部からは、去る7月1日付けで「慶讃法要団体参拝の基本事項」が示され、本年12月末日を期限として各教区の団体参拝者数に関する回答が各教区に求められております。
 可能な限り早急に委員会を発足させ、教区慶讃事業の推進に努めてまいりたいと存じますので、ご理解ご協力のほど宜しくお願い申し上げます。

①宗祖親鸞聖人御誕生八百五十年・立教開宗八百年慶讃法要【30日間 30座】
 第一期法要(15日間) 2023年3月25日(土)から4月8日(土)まで
 第二期法要(15日間) 2023年4月15日(土)から4月29日(土)まで    
 ※讃仰期間 2023年4月9日(日)から4月14日(金)

②京都教区団体参拝座席数(宗務所原案2020年7月1日現在) 2,500席
 ※2020年12月までに25教区間で調整

(3)「京都教区慶弔・災害見舞に関する内規」の一部改正について
 このたび「京都教区慶弔・災害見舞に関する内規」の一部を改正し、これまで宗派の共済金支給基準に準拠して支給されていた「災害見舞金」並びに「お見舞金」の一部を廃止いたしました。
 その理由は、2019年度に宗派の共済支給基準が大幅に緩和され、宗派復興共済金が支給されやすくなったことに伴い、宗派共済支給基準に準拠して運用してきた「京都教区慶弔・災害見舞に関する内規」の運用財源にあたる「教区慶弔・災害見舞特別会計」がひっ迫することが容易に予想されたためです。
 このたび、当該内規における「災害見舞金」並びに「お見舞金」の一部を廃止いたしましたが、京都教区では2018年度に被災に対応する「京都教区御依頼減免規程」を規定したこと、広域災害の発生に対応する「京都教区災害支援対策特別会計規程」も規定されていること、さらに宗派の共済制度が充実したことからしても、近年、宗派及び京都教区の被災寺院・教会に対する支援制度は充実してきているといえますので、ご理解くださいますようお願いします。

(4)「教区教化委員会規則」の課題について
 京都教区においては、これまでの3年間で教区教化体制の見直しを行うため、教区教化委員会での議論を重ね新規則の立案作業が進められておりました。その間、教区同朋会議での議論や教区会参事会・教区門徒会常任委員会においても「教化委員会規則」の一部改正を課題とする協議や審議が行われてまいりました。
 そこで、今般、これまでの過程を踏まえ、教区教化委員会規則の一部改正(案)を教区会に上程いたしましたが、審議の中で教区教化委員会と教化推進本部との権限のバランスの問題や、人の固定化を課題としながらもそれを防ぐ法規的措置が十分ではないなどの意見が多く出されたため、一旦、上程を取り下げ引き続き規則改正の協議を継続することと判断いたしました。したがいまして、2020年度においては引き続き従来の教化委員会規則に則った教化委員会を組織し、また教区会・教区門徒会との課題の共有を図りながら、これまでの教区教化体制の課題の解消と願われる教区教化の推進に向けた歩みを進めてまいります。

9.2020年度京都教区の財務方針について
(1)京都教区財政委員会について
 去る2020年6月22日、教区財政委員会田中正章委員長代理から2019年度に教務所長が「京都教区財政委員会」(各組の組長または副組長・組門徒会長または副会長の合計58名で構成)に諮問させていただいた「2020年度京都教区宗派経常費御依頼額各組割当基準」並びに「2020年度京都教区教区費御依頼額各組賦課基準」についての答申をご提出いただきました。
 その委員会答申を受けて、2020年度の宗派経常費の各組への御依頼並びに教区費の各組への賦課につきましては、答申に示された基準に則り割当並びに賦課させていただきましたので、何卒、御懇念賜りますよう宜しくお願い申し上げます。また、その基準に基づき教区予算を編成させていただきましたので、ご理解のほど重ねてお願い申し上げます。
 なお、今後、現財政委員会におかれましては、前財政委員会から引き継がれた「2022年度以降の宗派経常費御依頼額各組割当基準及び教区費御依頼額各組賦課基準について」の答申策定について鋭意お取り組みいただきます。
 とりわけ、経常費御依頼額の各組への割当基準については、前財政委員会が示された門徒指数重視の方向性や教務所長各組巡回でいただいた意見等を踏まえ、「1門徒指数あたりの御依頼額の平準化」を課題とし、また教区費の賦課基準については、現行の均等割と門徒指数の2要素とその比率を課題として、募財の実効性と教区財政の安定性を考慮しつつ、長期展望に立った答申の策定に取り組んでいただきますようお願い申し上げます。

(2)2020年度京都教区予算編成方針並びに2020年度京都教区一般会計歳入歳出予算について
 2020年度の予算編成は、2020年教区会・教区門徒会に先立って、教区会参事会・教区門徒会常任委員会懇談会、教区会議員協議会において新型コロナウイルス感染症の影響に伴う宗派経常費総御依頼額の減額措置によって生じる教区予算の課題を協議いただき、予算編成を行わせていただきました。
 このたびの感染症の非常事態において、宗派経常費総御依頼額が前年度に比して約2割に当たる10億円が減額されたことにより、これに伴い各教区に交付される教化交付金も約2割減額されることから、いずれの教区においても教区予算に例年にない大幅な歳入不足が生じることになりました。
 そこで京都教区の場合、その影響は2020年度よりも特に2021年度に大きく現れることから、2020年度の教区予算において2021年度の大幅な交付金の歳入不足に備えるための特別措置を講じることにいたしました。
 具体的には、感染症の影響により2019年度下半期に休止された事業等の残余金及び2020年度の教区教化事業の休止等によって捻出できる剰余金等の相当額を、あえて通常の予備費(通常は予算の3%~4%)に加えて予備費を大幅に増額し、それらを可能な限り2021年度に繰り越して、想定される大幅な交付金等の歳入不足の一部を補う原資に充てようとするものであります。
 この措置は、教区及び組の諸活動に支障を来さない2021年度の予算編成を目指すために講じる特別措置でありますので、ご理解賜りますようお願い申し上げます。
 また、以上の特別措置の他、2020年度の予算編成においては、地区・組への助成金等については、6月25日開催の議員協議会での意見を踏まえ2019年度に準じて予算化していること、教区教化事業については教区教化委員会の方針により大幅に減額していること、さらに本年度から事務効率化のため本山(宗務所)会計から教区会計に移管された教務所業務に限定して使用する教務所旅費・事務費705万円を予算に繰り入れるなど、これらを主な要素として予算編成を行いました。その結果、総額8,440万円となる2020年度京都教区一般会計歳入歳出予算を教区会並びに教区門徒会でご可決いただきました。
 この総額は2019年度に比して140万円の増額となりますが、今年度から本山会計から教区会計に移管された教務所旅費・事務費の新たな繰り入れ分を差し引きますと、実質、2019年度に比して565万円の減額予算になります。

 (3)2020年度京都教区宗祖親鸞聖人御誕生八百五十年・立教開宗八百年慶讃事業特別会計歳入歳出予算
 2020年度京都教区宗祖親鸞聖人御誕生八百五十年・立教開宗八百年慶讃事業特別会計歳入歳出予算につきましては、このたび教区会並びに教区門徒会でご可決いただきました慶讃事業推進委員会規程及び慶讃事業特別会計規則に基づき、2020年度からの慶讃事業推進委員会による教区慶讃事業の推進に期する予算として総額1,740万円を計上しております。
 なお、この予算については2020年の単年度予算として計上しておりますが、教区慶讃事業が終了するまでの複数年に渡って必要となる経費も予備費に組み入れておりますことを申し添えます。

10.長浜教区・京都教区の教区及び組の改編について
 長浜教区と京都教区の「教区及び組の改編」の進捗状況については、2016年10月に開催された京都教区改編委員会において中央改編委員会からの説明を受け、その後、地方協議会が設置され、2017年2月から長浜・京都教区間で地方協議会による断続的な協議が行われ、合意書(案)の作成に向けた取り組みが行われてまいりました。そして、長浜及び京都教区が足並みを揃え、昨年(2019年)の11月から12月にかけて地方協議会委員による各組説明会(43ヵ組)が冊子『教区及び組の改編に向けて』(地方協議会作成)を基に開催されました。京都教区におきましては、この説明会が第1回目となる各組への意見聴取の場となりました。
 その後、各組説明会で出された教区及び組の改編に向けた合意書(案)の作成に係る意見や質問の取りまとめと課題整理の作業が行われ、京都教区においては2020年1月23日に教区改編委員会が召集され、さらなる協議が行われました。
 現段階においては、両教区で整理された課題について、既に地方協議会に設置されている教化専門部会に加え、財務専門部会、組織専門部会を設置し、合意書(案)の策定に向けた作業が進められてまいります。また、今後、両教区が改編の合意に至るには、条例の定めにより両教区の教区会並びに教区門徒会での議決が必要ですので、教区改編委員会のみならず、教区会並びに教区門徒会においても十分議論の上、進めていただく必要があります。
 また、合意がなされた時には、次に両教区の教区会参事会並びに教区門徒会常任委員会で組織する新教区準備委員会において、新教区発足に向けた教区運営の詳細について多岐にわたる協議を重ね、当該準備委員会において教区運営に係る最終合意の議決を経て、ようやく新教区発足の準備が整うことになります。その間も、組の改編をはじめとする様々な課題について、教区会並びに教区門徒会と十分なコンセンサスを図りながら進められていくことになります。
 宗派では、財務長演説にありますように、地方宗務機関の改革を目指す教区及び組の改編のみならず、全ての宗務機関の再編成を行い、持続可能な宗門体制の構築を目指す行財政改革が断行されます。その行財政改革との整合性と方向性を見定めつつ、将来に向けて持続可能な新たな宗門の形を共に指向していただきたいと思います。皆様のご理解とご協力をお願い申し上げます。

11.教区内別院の現状
 赤野井別院につきましては、教如上人御廟の修復や一昨年の台風21号により被害を受けた土蔵の除却を行い、また新型コロナウイルス感染症の影響で延期されていた教如上人忌法要が10月5日に厳修される予定です。
 大津別院につきましては、崇敬区域の方々のご尽力と教区内の皆様のお力添えにより、2020年2月に庫裏(同朋会館)の新築工事及び境内駐車場整備が完了しました。なお、当該事業の特別募財期間は2030年3月までであり、建設懇志金の引き続きのご協力をお願い申し上げます。
 山科別院につきましては、感染症の影響により3月の蓮如上人御正当法要を内勤とし、6月からは感染防止策を講じながら定例法話や同朋の会が再開されました。また、別院財政の安定化を図るため、境内月極駐車場の整備が行われ一部を時間貸駐車場にされました。
 岡崎別院につきましては、三菱地所株式会社との一般定期借地権設定契約を結び、2021年開業予定のホテル開発工事が行われています。また、引き続き、将来の別院運営に資する整備計画が進められてまいります。
 伏見別院につきましては、別院財政の安定化を図るため、境内整備が行われ、2020年6月より時間貸駐車場が開始されたことであります。また、7月からは定例法話等の教化事業も感染防止策を講じたうえで再開されております。

 12.今年度に予定される選挙について
 本年、2020年9月30日に各組の査察委員が任期満了を迎えます。また、来年、2021年3月31日を以って教区門徒会員が、それに先立つ3月9日には組門徒会員が、それぞれ任期満了を迎えます。これらの改選につきましては、別途通知文を出させていただきますので、各組におかれましては万遺漏なきようお願い申し上げます。 

13.おわりに ― お念仏から問われる人間の課題 ― 
 さて、最後に、現今の新型コロナウイルス感染症の影響下において、私自身が感じていることを僭越ながら申し上げます。
 新型コロナウイルス感染症の影響による先行き不透明な状況が続き、世界中が今大きな不安に包まれています。その中で大切に伝承されてきた仏事は勿論のこと個々の生活の細微に至るまで、私たちも様々な影響を受けております。
 この事態に直面し、改めて親鸞聖人の教えに尋ねてまいりますと、この危機は私たちにとりまして仏法に出あい直す大切な機縁であるともいえるのではないかと思います。感染症から身を護るという科学的な課題がある一方で、同時に仏法に生きる者としての課題があることを私たちは見過ごしてはならないと思います。
 いのちの危機の不安から感染症に起因する差別や偏見等の問題も露呈してきている現状において、改めて諸行無常、諸法無我、生死一如等の教えが私たちに何を語りかけてきているのかを問い直さなければなりません。
 「100年前、スペイン風邪にかかり村を追われた家族がありました。周りの人々は善人(正義の人)でした」という話を先日聞きました。私たちは誰もが業縁存在であるにもかかわらず、人間の根深い自我分別の執心は常に自身に善(正義)を立て「他者を批判し差別し排除する」という事態を引き起こし、互いに苦しめ合う社会を生み出します。
 無明存在である私たちは、自らの力で自身の執心に気づくことはできません。だからこそ「南無阿弥陀仏―汝、目を覚ませ」と言い当てられ続けることの大切さがあるのだと思います。親鸞聖人が願われた御同朋の世界は、自我分別に囚われた自身の罪深さに深々と頭が下がる人と人の関係性の上に開かれてくるのでありましょう。そこに批判や差別や排除を超えていく道が開かれているのだと私は思います。
 皆様におかれましても、それぞれにこの事態を通して問われてくることが多々あろうかと存じます。どうかくれぐれもご自愛くださると共に、お念仏の教えから問われる人間の課題を互いに明らかにし、2020年度が京都教区の皆様にとりまして真宗の仏道の確かな歩みの年度になりますことを切に念じ、2020年度にあたりましての教務所長挨拶とさせていただきます。

 


京都教区会議長/深尾 浄信

「縁を紡ぐあゆみを」

 教区の皆様方にはますますご清祥のこととお喜び申し上げます。
 平素は、教区の運営並びに教化にご指導とご支援をいただき厚くお礼申し上げます。

 まず初めに、新型コロナウイルス感染症によってお亡くなりになった全ての方々に深く哀悼の意を表します。さらには、この厳しい状況の中でご尽力いただいている医療従事者の方々をはじめ、関係の皆様に、衷心より敬意と謝意を表させていただきます。また、7月上旬の熊本県を中心とする九州地方の記録的豪雨をはじめとして各所で被害の出ている令和2年豪雨災害により、お亡くなりになられた方々に哀悼の意を表するとともに、そのご遺族並びに被災され今なお厳しい状況にある全ての皆様に対しまして衷心よりお見舞い申し上げます。


 さて、私儀 新型コロナウイルス感染症の影響によって、6月9日に招集されました教区会(臨時会)におきまして、議員各位のご推挙をいただき、議長の重責をお預かりすることになりました。
 宗門内外ともに課題が山積しておりますこの厳しい状況下にあることを考えますと、身の引き締まる思いとその職責の重さを痛感いたしております。もとより浅学寡聞な身でその器ではございませんが、議員各位をはじめ教区の皆様方のお支えをいただきながら、微力ではありますが、鋭意努力してその職責を全うする所存でございます。川那邉章副議長ともども一層のご教示・ご協力とご叱正を賜りお育ていただきますようお願い申し上げます。

 さて、重要な「教区及び組の改編」の課題は2005年に示された「15教区改編試案」が2016年に最終試案として「17教区改編試案」が示され、長浜教区と京都教区が改編するという新たな試案になりました。その試案を基に教区改編委員会「地方協議会」において合意事項の協議が重ねられてきました。互いに教団を担う一人の主体性をもって、そのことを確りと検証していくことが喫緊の課題であります。
 昨年、各組での「各組説明会」において出された数々の意見を共有し、社会情勢・環境の変化を見据えた宗務改革・行財政改革の具体的計画を明確に求める中で、「組改編」も踏まえた論議を深める必要を痛感しております。

 また、宗祖親鸞聖人御誕生八百五十年・立教開宗八百年慶讃事業の意義を訪ね、ここに教区教化事業の刷新を強く願います。今日まで一部の関係者に委ねてきた体制を教区人全てが心をいたして、まさしく「人の誕生」をして、念仏の御教えが受け継がれていく、教区教化体制の構築が肝要と存じます。

 コロナ禍の状況と篤実に向き合い、「人とのつながりを切らず、互いの暮らしを気にかけあい、支え合う」ため、諸法無我の教えに、今何ができるのかに気づく歩みが、各寺院の大切な教化活動の一歩になるのではと思う次第であります。教区の皆さまの、ご理解、ご支援よろしくお願い申しあげます。

 


京都教区門徒会長/中野 昭

「元気なお寺づくりを目指して」

 平素は、教区の教化事業の推進並びに教区門徒会の運営に格別のご支援、ご協力を賜り厚く御礼申し上げます。

 京都教区の皆々様には、ここしばらくは、新型コロナウイルス感染症の感染防止のため、外出自粛、一斉休校、休業要請など、不自由と不安が付きまとう生活ではなかったかと拝察いたします。緊急事態宣言が解除されて数ヵ月が経ちましたが、日常は容易に戻らず、第2波、第3波の脅威が依然として残る毎日ではないかと思います。

 今、寺院を取り巻く環境が年々変化し、寺院の存在意義が問われるほどの危機に直面しています。高齢化が進む現代社会の中で、人の死生観にもっとも近い立場にある仏教が果たす役割は大きく、社会との接点づくりの場として寺院の活性化が今求められています。
 このような寺院存続の問題を私たち門徒はどのように据え、危機意識を抱いているのでしょうか。また、寺院においてもこの変化する時代に果たす役割、課題について門徒とどう向き合い、意識改革をしていくのかをお考えいただきたいと要望致します。

 「元気なお寺」を、門徒は一番に願います。住職と門徒のつながりの希薄化が指摘されていますが、今一度、関係性の再構築を目指すには、その出発点として、各寺院が必ず勤める報恩講などを契機に門徒と話す機会を今以上に設け、共に学ぶ場を共につくり上げ、一歩踏み出す行動を起こすことが必要であると思います。

 今日の時代、人口減少、少子高齢化が急速に進み、家族のありようも変化する中で「門徒数の減少」「参詣者の減少」はもとより、次世代に教えが伝わらないこと、さらに葬儀など仏事の簡略化ということが課題としてあるのも事実であります。

 現代社会において、昔は「当たり前」にしていたことが当たり前ではなくなった現実に直面し、あらためて考えさせられること、気づかされることも多々あるのではないかと思います。「新しい生活様式」という言葉でも表されるように、今、私たちは「当たり前」の日常を大きく変える新型コロナウイルス感染症の感染拡大という非常事態に対峙しています。この非常事態を、今まで目の前にあった日常や自分自身を顧みる大切な機縁として受け止めるとともに、こんな事態だからこそ支え合い励まし合って生きることを切に願います。

 もともと私たちは、わがままで自分勝手で、自分を優先してしまうものを持っています。だからこそ、生きている環境や価値観の違うさまざまな人たちと出遇い、お互いに尊重しながら語りあう場が必要であり、また、慌ただしく過ぎる毎日から少し離れ、宗祖親鸞聖人御誕生八百五十年・立教開宗八百年慶讃法要を迎えるにあたって「学びの場」を深め、更なる「元気なお寺」をつくりあげる時間が重要だと考えています。
     慶讃テーマ
        南無阿弥陀仏 人と生まれたことの意味をたずねていこう
                                  合掌

 


京都教区教化推進本部長/藤浪 遊

2017年10月10日の京都教区教化委員会総会において京都教区教化推進本部長を拝命いたしました。

誠に浅学の身であり、力の及ばないことでありますが、教区の教化活動に精一杯、力を尽くしてまいる所存です。ご指導ご鞭撻のほど、何卒お願い申しあげます。

現代を生きる我々は、「浄土」をいただけなくなってしまっています。「この身、この世がすべて」になってしまっています。そのような自力作善の生き方しか流行らない現代にあって、緊要の課題は「浄土」の回復ではないでしょうか。浄土を顕らかにすることは、私たちの環境を顕らかにすることです。穢土を穢土と思わずに暮らしている私たち一人ひとりが、宗祖の悲嘆に耳を傾け、それを自覚内容とした真宗の事業を展開していくことが、現代において我々が「浄土をいただく」端緒となることを、私は信じています。

また、一府五県にまたがる広範囲な京都教区にとって、教化委員会は単なる教化事業の推進機関ではありません。私自身、教区教化委員会という場において多くの方々との出会いと、お育てをいただきました。教区の方々が、教えに聞いていく中で、出会い、語り、声を聞き合える場を創っていくことも、委員会の大きな使命であることを思います。

教化委員会の営みが「阿弥陀仏になって開かれる浄土」をいただき、「阿弥陀の本願」に呼び返され続ける歩みとなり、「師あり朋ありの世界」の創出につながることを願って各教化事業を展開してまいります。

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