京都教区について

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京都教区教化委員長・京都教務所長/錦  秀見

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京都教区の皆さまには、平素より、宗門護持のため、また教区運営についてご尽力をいただいておりますことに、心から厚く御礼申し上げます。
さて、7月5日から6日にかけて台風並びに梅雨前線による線状降水帯による豪雨により、京都教区においては石西組のご門徒宅の被害が発生し、久留米・日豊教区においては甚大な被害が発生いたしました。なお、7月19日付にて気象庁は「平成29年7月九州北部豪雨」との名称を設定されました。宗派においては、本山境内内に救援金箱を設置するとともに、救援金口座が開設され、各教務所においては見舞タオルやブルーシート、土嚢袋などを被災者に届け、被害状況も把握されつつあります。ここに謹んでお見舞い申し上げますとともに、被害状況に応じて当教区としての支援を速やかに検討してまいります。

次に、昨年度は、宗祖親鸞聖人七百五十回御遠忌特別記念事業として進められてまいりました真宗本廟御影堂・阿弥陀堂・御影堂門の御修復事業の完了を三宝に奉告する「真宗本廟両堂等御修復完了奉告法要」が、全国の門徒同朋をお迎えし御正忌報恩講に先立ち厳修されました。この世紀の大事業が完遂できましたのも宗憲前文の「聞法者の歓喜と謝念によって伝承護持されてきた」との一文に表わされているとおり、数限りない方々のご尽力の賜物であります。このたびの御修復を経て、「教法宣布の根本道場」たる真宗本廟が、時代社会の只中でいよいよその役割を果たしていかねばならないとの思いを強くいたすところであります。
また、本年の宗会(常会)において、2023年にお迎えする宗祖親鸞聖人御誕生八百五十年・立教開宗八百年慶讃法要の準備に万全を期すため、今年度から「宗祖親鸞聖人御誕生八百五十年・立教開宗八百年慶讃法要準備本部」が設置され、またこのたびの法要に関する宗務審議会も設置され、検討がはじめられておりますことをご報告いたします。

2016年度 収納報告
次に、2016年度の収納についてご報告いたします。2016年度本山経常費京都教区御依頼額2億5,516万1,000円に対して、2億7,600万6,511円、率にして108.1%のご収納でした。厳しい経済状況下にあって、完納超過いただきましたことは、住職・教会主管者、門徒各位の法義相続・本廟護持の御懇念の賜と厚く御礼申し上げます。全国の経常費御依頼額については、総額52億9,701万円に対して、56億9,162万6,445円で、率にして107.4%のご収納であり、4ヵ年連続で、30教区全ての教区が完納となりました。

2017年度 宗派の基本方針と主な施策
次に、2017年度の宗派の基本方針と主な施策について申し上げます。
宗門の目的は、「同朋社会の実現」であります。同朋社会とは、教法に依って立つ社会でありますから、私たちにおいては「聞法」につきるのだと思います。明治の御再建以降、経験したことない一大事業を成し遂げた宗門に願われることは、御修復の歩みで繰り返し確かめられた「人の誕生」と「場の創造」でありましょう。

【寺院を支援する活動】
これまで寺院を支援する活動として検討が重ねられてきた、「帰敬式法座」「元気なお寺づくり講座」「同朋の会推進講座」が順次展開されます。組などの具体的な現場において、僧侶と門徒の共同作業「共創」によって聞法の場が開かれることを願って推進されます。また、教化の現場をサポートするためしんらん交流館の企画調整局に「寺院活性化支援室」が設置され、元気なお寺づくり講座の運営や過疎地域の寺院の教化支援、青少幼年の教化支援の取り組みも進められます。

【御本尊を手渡す取り組み】
次に、核家族化・少子化が進み人口の集中・移動による門徒の相続(家の相続)が困難となっていることはご承知のとおりであります。蓮如上人が多くの人々へ名号を届けられたように、教えと共に本山授与物である額装本尊等を次の世代へ手渡す取り組みを進めてまいります。

【『観経』「是旃陀羅」問題について】
次に、『観経』序文の「是旃陀羅」問題について申し上げます。昨年6月に部落差別問題等に関する教学委員会から提出された報告書を拠り所とし、教学会議への諮詢を経て、課題別委員会での協議や、教師養成に資する宗門近現代史の学習資料作成に取り組み、宗務関係者の学習を行っています。報告書に基づく宗門内の課題共有を出発点として宗門人一人ひとりがこの課題にどう向き合うのかを確かめ、部落解放同盟との対話も踏まえつつ宗門として取り組んでまいります。

【教師養成について】
次に、教師の養成について申し上げます。「教法をひろめ」との使命がある大谷派教師について、法話の在り方が厳しく問われています。教師資格取得の課程の内容を見直すとともに、学事振興について検討を進めてまいります。

【宗務改革について】
次に、宗務改革について申し上げます。
まず、財政改革ですが宗門の財政状況が非常に厳しいことについて、その現況と中長期にわたる見通しについて宗門各位と共有すべく取り組んでまいります。昨年、所長巡回でご報告した「宗費賦課金に関する審議会」の答申は機関誌「真宗」7月号に掲載されておりますが、賦課基準などの見直しは財政改革の取り組みと併せて方向が見定められることとなりました。

次に、教区・組の改編並びに全国門徒戸数調査について申し上げます。
教区・組の改編については、高山・岐阜教区において本年3月末に合意に至りました。また、東北3教区である奥羽・山形・仙台教区と、九州5教区である日豊・久留米・長崎・熊本・鹿児島教区においても2017年度中の合意に向けて取り組みが進められております。なお、京都教区においては、長浜教区との改編案が示され、地方協議会において、まずは両教区の現況把握を行っております。今後の協議の進捗によって、必要に応じてその都度「教区改編委員会」へ報告し協議いただきますので、よろしくお願いいたします。

次に、第3回となる「全国門徒戸数調査」については、本年2月1日を調査期日として実施されました。現在、中央門徒戸数調査委員会において集計中でありますが、本調査にご尽力いただきました別院・寺院・教会の関係各位に厚く御礼申し上げます。京都教区においては、手許集計によると合計門徒指数40645.81となりました。第2回合計門徒指数41720.74に比して数値として1,074.93の減、-2.58%であり、第1回合計門徒指数44488.17と比しますと数値として3,842.36の減、-9.45%となり、厳しい現状がこの数値からも明らかになりました。なお、8月末日には「中央門徒戸数調査委員会」に「教区門徒戸数調査委員会」から京都教区の調査結果報告書を提出し、中央の委員会において調査結果の確認がなされ、2018年3月末に「中央門徒戸数調査委員会」が内局に報告書を提出し、最終的な調査結果がまとまる予定です。その報告書は、2018年7月号の機関誌『真宗』に掲載される予定です。

【訴訟の現況について】
次に現在係争中の訴訟について申し上げます。一般財団法人「本願寺文化興隆財団」を相手取り、本山内の事務所及び倉庫の明け渡しと本山前の宗派所有土地に設置されている東山浄苑行バス停留所の看板撤去も求める「建物明渡等請求事件」は京都地方裁判所において審理が継続されています。
また、大谷光道氏が大谷祖廟御廟石積み内の本願寺歴代遺骨を含む土の引渡しを求めた「動産引渡請求事件」については、4月7日京都地方裁判所において、大谷光道氏の請求を棄却する判決が言い渡され、現在大阪高等裁判所において控訴審が継続されています。

【職員の労働管理について】
次に、職員の労働管理について申し上げます。すでに各種メディアの報道によりご承知のとおり、皆さまにご心配をおかけいたしておりますことにお詫び申し上げます。私自身、先輩から如来の教法を世に伝えるための宗務をさせていただくとの基本姿勢と宗門に願われていることとは何かを教示いただきながら、今日まで宗務役員として歩ませていただきました。その一方で、法令に基づく職員の労務環境については、適正に把握し職場環境を整える必要があります。京都教務所においても、所長としてより良い職場環境の構築に向け取り組んでまいりますので、教区の皆さまのご理解とご協力をよろしくお願い申し上げます。

2017年度 宗派及び教区の財務方針
次に、2017年度 宗派及び教区の財務方針について申し上げます。宗派一般会計予算は、経常部・臨時部合わせて総額83億9,700万円でございます。経常費歳入の主である地方御依頼額は、52億8,900万円で、昨年度比800万円の減額であります。減免措置は仙台教区の400万円と熊本教区の1,000万円ですが、熊本教区の減免分は28教区に按分されていません。京都教区への御依頼額は2億5,029万2,000円で、昨年度に比べて486万9,000円の減額でございます。

2017年度京都教区一般会計予算は、総額8,310万円で編成し、昨年度比320万円の増額でございます。
歳入の部の主な変動は、1款「交付金」59万円、4款「助成金」11万円、6款「特別会計回付受金」120万円、7款「出版会計回付受金」56万円の減額、3款「教区費」449万円、9款「繰越金」107万円の増額でございます。歳出の部では、2016年度決算を踏まえ、より実情に即した経費を計上いたしました。具体的には、1款「教学費」において、教師検定準備学習会の参加者増に伴う5万円の増額、「児童大会費」を前年度実績から25万円の減額、「同和協議会費」も前年度実績から20万円の減額、2款「策励費」も前年度実績から30万円の減額、3款「会議費」において、今年度、教区門徒会改選に伴い「教区門徒会費」を40万円増額、また門徒戸数調査委員会や教区改編に係る会議増に伴い「諸会議費」40万円の増額、4款「事務費」において、教務所職員の時間外手当対応のため60万円の増額でございます。
また、「教区会館営繕積立金会計」並びに「教区会館(常磐会館)会計」において、昨年度、耐震調査を実施した結果、震度5強で大規模な損壊が想定されることから、耐震補強を実施すべく構造補強設計が出来上がりました。その他、エレベーターの更新に加え、カーペットや壁紙など傷みが目立つことから、「常磐会館運営委員会」の議を経て、耐震補強と併せて大規模営繕を実施することとなりました。その財源として、現在の会館建設時の剰余金である「教区会館基本金会計」を使用することとし、営繕の仕様や内容等については「常磐会館運営委員会」において、適正な内容と金額になるよう検討し発注してまいります。
なお、将来に向けて教区会館の大規模営繕に備え、今年度から「教区会館基本金積立費」をお願いいたし、一般会計予算に歳入として計上し、歳出予算にてこのたび使用する教区会館基本金会計へ積立いたしたく、ご理解賜りますようよろしくお願いいたします。

今年度の経常費御依頼額各組割当基準については、教区財政委員会においてご協議いただき、去る6月19日付で答申を提出いただきました。2017年度の各組割当基準については、委員会の結論を尊重し、答申に記された基準案とおりに割当させていただきたく、皆さまのご理解とご協力を謹んでお願い申し上げます。なお、昨年も申し述べたとおり、京都教区の割当基準の要素として、第3回全国門徒戸数調査の結果を用いるのは2018年度に検討をした後、2年後の2019年度からとなる予定でございます。本年度もこれまで同様、法義相続・本廟護持のご懇念を賜りますよう宜しくお願い申し上げます。

教区諸機関(委員会)の現況
次に、教区改編委員会は、昨年10月25日に『第4期教区及び組の改編に関する中央委員会報告書』について中央改編委員会からの説明を受けました。また、同年12月13日には、先の説明を受けて京都教区として意見交換会が持たれております。その後、長浜教区と京都教区の改編案について、「地方協議会」が3回開催されておりますが、先に申し述べさせていただきましたとおり、両教区の現況把握を主としており具体的な協議には至っておりません。

教区宗祖御遠忌記念事業の概要及び2017年度教区教化研修計画
次に、教区宗祖御遠忌記念事業は、お待ち受け事業の点検総括(2012年2月)、現行教区教化研修計画の点検を踏まえて、「人の誕生」と「場の創造」(同朋会運動推進計画)を視座に、「拾学舎」「同朋の会サポートプラン」「誕生児初参り式サポート事業」の3つに具体化されました。これらの事業は、2015年度から2020年度(宗祖御誕生八百五十年の2年前)までの6ヵ年度間で実施されています。今年度も、昨年度に見えてきた課題を確認しながら進めてまいります。

次に2017年度の教区教化事業について申し上げます。教区教化テーマを念頭において、それぞれの教区教化委員会事業に取り組んでまいります。具体的には「組織拡充小委員会」では「男女両性で形づくる教団をめざして」とのテーマのもと、昨年度からより広く教区内に課題共有するため、各教化地区を巡回して研修会を開催していますが、今年度は湖東地区での開催を予定しており、参加の奨励を図ってまいります。
「育成員等研修小委員会」では、第15期「伝道研修会」の初年度になります。近年、特に受講生の学びの意欲も高く、聴講生も増加しており、活気ある学びの場が生まれていますので、この雰囲気を今期も継続してまいります。
「門徒・推進員研修小委員会」では「同朋の会」の発足、充実を念頭に「推進員養成講座」に取り組んでまいります。今年度は但馬組(本山指定)が本講座年度に入り、山城第3組(本山指定)が本講座年度を終えて指定同朋の会年度に入ります。
さらに、「推進員教習懇談会」において教区内各組での取り組みを聞き合うことで、更なる講座の内容の充実を図ってまいります。
「青少幼年研修小委員会」では、「お寺の子ども会サポートプラン」が第4期目に入ります。子どもたちが安心して遊べる場としてお寺を開放し、地域に開かれたお寺の中で、子どもたちが真宗の教えに触れることを願いとし、サポート期間終了後も継続して開催されることを視野に入れて実施してまいります。
「教区同和協議会」では、テーマ「親鸞聖人の教えに学ぶ、人間解放の道」のもと、部落差別問題を中心に、現代社会に惹起する差別問題に向き合い、宗祖親鸞聖人の教えに人間解放の原理を尋ねつつ、真に人間解放への歩みを進めるべく、取り組んでまいります。
なお、「是旃陀羅」問題については、教区同和協議会では昨年度2回この課題についての学習会を行いましたが、今年度も引き続き学習会を予定しています。

以上、2017年度の宗派並びに教区の宗務方針と施策について概略を述べさせていただきました。本年度も教区の皆さまの教財両面にわたるご指導ご鞭撻、ご協力を何卒宜しくお願い申し上げます。

 


冨田直樹議長

京都教区会議長/冨田 直樹

時下、教区の皆様におかれましては日々、仏法聴聞にご精進のことと拝察いたします。また、教区の運営をはじめ寺、組、地区における教化研修に一方ならぬご理解とご協力を賜っておりますこと、厚く御礼申し上げます。

このたび、教区会議員の任期満了による改選に伴い、去る5月18日の教区会(臨時会)において議員各位のご推挙をいただき、前期に引き続き、教区会議長の重責を担うことになりました山城第4組圓光寺の冨田でございます。何卒ご指導ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。

京都教区が抱える課題は多岐に及びます。一つには別院の問題があります。教区には5別院(赤野井、大津、山科、岡崎、伏見)があり、地域における教法宣布の中心道場として今日までその使命を果たされてきたことは皆様よく御存じのとおりであります。しかし今、別院の護持・運営は、御堂や書院などの修復を含め大変難しい時を迎えております。広い意味で「別院崇敬」ということをどのように考えていかなければならないのか、教区運営の上で避けて通ることのできない課題であります。

また、所属寺院が少ない組であるがゆえに組としての形態をなすのが極めて難しい状況になっている組があります。組会、坊守会など役員の選出に加えて、我々真宗門徒にとって大事な拠り所である本願念仏のみ教えを聴聞し、真宗念仏に生きる人を生み出すことが目的である教化研修に「疲れ」を感じているのも事実であります。その意味では「組の改編」も急務の課題であります。

昨年10月には、教区及び組の改編に関する中央委員会より宗務総長に「第四期教区及び組の改編に関する中央委員会報告書」が提出され、新たに『長浜教区と京都教区』の改編試案が提示されました。

京都教区においては、2005年十五教区改編試案を受け、2006年10月から2014年10月まで延べ9回にわたって教区改編委員会が開催され、「教区、組が分割されることへの非常な不安や不信がある」との声を本山へ訴えてまいりました。そうした教区の意見・要望を受け、時間はかかりましたが当初ご心配をおかけしました教区・組の分断は見送られることになりました。そうしたこれまでの経緯を受け止めつつ、今日、我々真宗寺院を取り巻く社会環境の急激な変化は、「人口減少・過疎過密・少子高齢化」など多くの問題を抱え、急速に進展していることは誰もが周知の事実であります。

改めて、「今なぜ教区改編なのか。」京都教区は一府五県、直線距離にしますと島根県の浜田から福井県の若狭まで約500キロ、また、教区内寺院数(別院含む)は693ヵ寺あり、その内6割の寺院が滋賀県にあります。社会の厳しい変化に合わせて、宗門の財政状況の減少、教勢の衰退・弱体化が強く印象づけられる(第7回教勢調査)なか、深い危機感をもって受け止め、教区の将来はいかにあるべきか、教区の皆様の声を充分に聞き、受け止めながら教区運営に取り組んでまいらねばと心に期するところであります。

 


京都教区門徒会長/中野 昭

教区門徒会員の皆様におかれましては、日々仏法聴聞、自坊での活動にご尽力いただいていることと存じます。

さて、現代は過疎化や少子高齢化など寺院を取り巻く環境が年々変化し、全国の寺院が存続の危機に瀕しているといわれています。昨年も述べましたが、とても印象的な予測として、今後25年の間に、現在日本に存在する約7万7000の寺院のうちの約4割近くが消滅する可能性があるとの説もあります。地方から都市への人口の流出、住職の高齢化と後継者不在、門徒の高齢化、葬儀や埋葬の簡略化など社会構造の変化に伴う課題が次々と浮上し、空き寺の急増、寺院の整理・統合の時代を迎えようとしています。

このような寺院存続の問題を私たち門徒はどう捉え、危機意識を抱いているのか。また、寺院においても、この変化する時代に果たす役割、課題にどう向き合い、意識改革をしているのか。それは、住職だけの問題ではなく私たち門徒に与えられた課題でもあります。今、門徒として何をすべきか?真剣にこの課題に向き合い、この時代における自らの在り方を真摯に示していかなければなりません。

老齢化が進む社会の中で、人の死生観に最も近い立場にいる仏教が果たす役割は大きく、自分自身を見つける場として寺の存在が求められています。寺院と社会との接点づくりや、僧侶と門徒が腹を割った話し合いのできる「共同教化」の場が欠けているのではないかと考えます。

聞法とは、お念仏に自分自身の日々の拠り所を開き、また、自分自身の日々の生活をお念仏に確かめることであります。社会やライフスタイルの変化による人々の意識や価値観は変わっても、宗教に対するイメージ、中でも死にまつわる習慣や慣習は人々の心の中に残っています。地域に根ざし、地域の人々に深く寄り添うといった寺院の公益性が求められています。現状からすれば、寺院・教会の自助努力だけでは、田舎を離れ都会に転居したご門徒と絶えず仏法聴聞のご縁を繋いでいくことは困難な状態であるばかりか、聞法道場としての寺院を維持していくことすら困難な状態であります。

地域のニーズに応え、ご門徒や地域の人達との人間関係をうまく構築できる寺院には存在意義があり、寺院の活性化へとつなげていくことが可能であります。地域の中の寺院が、教えと人をつなぐ役割を果たすことがなければ「教え」は未来に伝わらないと思います。これは真宗寺院の使命であることを確認し、私たち門徒も互いに情報を共有できるネットワーク作りが大事であり、「共同教化」に繋がると考えます。

寺院には、それぞれ違った環境があり、その状況の中で厳しい道を歩むことになりますが、私たちは門徒として自信教人信の誠を尽くし、法義相続に努めることが「今」与えられた責務であります。一人の念仏者として住職と共に寺院活性化のために立ち上がるべき時期にきているものと考えます。

 


 

京都教区教化推進本部長/谷 大輔

2014年9月谷大輔氏5日の京都教区教化委員会総会において京都教区教化推進本部長を拝命いたしました。
浅学の身ではございますが、教区教化活動に力を尽くして参りますので、ご指導ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。

京都教区は1府5県にまたがる大きな教区です。広域である故に、本当の意味で人と人が出会うことが難しい教区であるとも言えます。そういう意味で、この教区教化委員会は教化ということを中心にしながら、教区人が集い、出会い、語り、声を聞き合うことのできる非常に重要な場であります。「御同朋」の〝御〟には「賜った」という意味を見出すことができると思いますが、私自身、教区教化委員会という場において師と朋を賜りお育ていただいた者の一人であります。

この教化委員会の活動には〝聴聞すること〟が欠落しないよう心掛けてまいります。それは聖教の言葉を学習すればよいという意味ではありません。逆に聖教の言葉を知的に学習すること、もしくは得手に学習することによって、意が閉ざされ自身の安心は求めても、他者を見失うことになりかねません。大事なことは、聖教の言葉を大事に学習し丁寧に聞きつつ、いのちの事実に立って発せられた人間の言葉に耳を澄ませて聞いていくことでしょう。

教化委員会は、聖教の言葉と人間の現実の声が両方聞こえる場所で具体的な教化活動を展開してまいります。

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