京都教区について

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京都教区について

京都教区教化委員長・京都教務所長/日野 隆文

「2021年度に当たって」

1.はじめに

 平素より、宗派及び教区事業に対しまして、ご理解ご協力を賜っておりますこと厚く御礼申し上げます。

 去る7月12日の豪雨により出雲組のご門徒の方々が被害に遭われました。ここに衷心よりお見舞い申し上げると共に、被災された方々が1日も早く日常を取り戻されることを心より念じております。

2.2020年度収納報告について
 2020年度の京都教区への宗派経常費御依頼額は2019年度に比して5,036万3,000円減額の1億9,355万3,000円でありました。それに対しまして2億2,167万4,876円、率にして114.5%のご進納をいただくことができました。2020年度の全国への宗派経常費総御依頼額につきましては、2019年度の52億5,301万4,000円に比して10億6,466万円減額の41億8,834万2,000円であり、それに対しまして46億608万3,648円の収納、率にして109.9%のご進納でありました。

 また、2019年度から2022年度の4カ年度にわたる京都教区への慶讃懇志金総御依頼額は1億3,299万4,000円であり、2020年度までに7,403万7,596円、率にして55.7%のご進納をいただくことができました。全国への慶讃懇志金総御依頼額は29億円であり、2020年度までに19億4,247万7,831円で、率にして66.9%のご進納をいただいております。

 新型コロナウイルス感染症の影響により、寺院を取り巻く環境がより一層厳しくなる中で、宗派経常費と慶讃懇志金との並行募財にもかかわらず、経常費御依頼額を超過完納いただきましたことは、偏に宗門に憶いを寄せてくださる住職・教会主管者、門徒各位の法義相続、本廟護持の御懇念の賜と厚く御礼申し上げる次第です。

3.2021年度宗派一般会計予算並びに新型コロナウイルス感染症の影響に対する

  2021年度宗派経常費総御依頼額の減額措置について

 2021年度宗派一般会計予算は、経常部・臨時部合わせて78億400万円で可決成立いたしました。この予算額は、各教区への宗派経常費御依頼額を10億円減じた2020年度補正予算に比して2,050万円の増額となりますが、新型コロナウイルス感染症の影響がなかった2019年度(85億7,000万円)と比べますと、7億6,600万円の減額予算です。

 全国の寺院、ご門徒に大きな影響を及ぼしているこのたびの感染症は、真宗本廟境内における収入においても甚大な影響をもたらしており、これまで経験したことのない事態にあって、2021年度宗派一般会計予算の編成においては、暗中模索・試行錯誤を繰り返す中で既成概念にとらわれない事業の見直しが断行され、研修会や法要儀式、会議等における新たな形態を創出して経費の抑制がなされました。また昨年度に引き続き全宗務役員の給与を削減し、平衡資金から6,400万円の融通を受けると共に、教区改編の成果等によって、全国への宗派経常費総御依頼額を約6億1,500万円減額する措置が講じられました。

 したがいまして、2021年度の京都教区への宗派経常費御依頼額は、これまで京都教区に対して採られてきた段階的な減額措置に加え、このたびの減額措置により2億1,478万1,000円となり、平常時の2019年度に比して約3,000万円の減額となりました。先行き不透明な感染症の影響下において、このたびの措置が十分な対応であるとは言い得ませんが、現在の宗派財政において精一杯の対応策であり、何卒、ご理解賜りたく宜しくお願い申し上げます。

4.2021年度宗派の宗務執行方針並びに財務方針

(1)宗務執行方針について

 昨年来の新型コロナウイルス感染症によって、あらゆる面で行動が制限され、人と人の交わりにも様々な制約を受けるなど、社会全体が元に戻れないほどに、根底から大きく変わる転換期を私たちは迎えています。このような中で、第26代門首に就任された大谷暢裕門首は、去る4月の慶讃法要 真宗本廟お待ち受け大会において、「感染症拡大等による現在の危機的状況を、正法弘通の転機と受け止め、慶讃法要に向けて『南無阿弥陀仏 人と生まれたことの意味をたずねていこう』というテーマのもと、本願念仏のみ教えに、『人と生まれたことの意味』を丁寧にたずねていくいとなみを世界中の人々と共にしたい」と表明されました。

 また、但馬弘宗務総長は、去る宗会の演説において、変容する時代の大波の中で、我々は従来の活動のすべてにおいて、これまでにない工夫や変革が求められる時代に突入し、このように価値観が根底から揺さぶられる時代であるからこそ、何よりも私たちが忘れてはならないのは、これまでの度重なる宗門の危機の中にあっても、教えに出遇ってこられた先達の方々の歓喜と謝念によって伝統されてきた「立教開宗の精神」と「宗門存立の本義」であると述べられております。また、池田勇諦先生は真宗本廟お待ち受け大会において「慶讃」の原点である「慶喜奉讃」の意味を押さえ、私たちにとっての宗祖の御誕生と立教開宗の意義は「知らしめられた恩徳を、遇わせていただいた教えを、次の世代に確かに手渡していかねばならんという使命感に立ち上がること」とお示しくださいました。

 時代の価値観の変容や社会形態の変化によって、いま宗門は教財両面において、大きな危機を迎えております。さらに感染症の感染拡大が拍車をかけたことにより、いま内局が取り組む宗務改革はますます喫緊の課題となっております。その宗務改革の目的は、「次世代に教えを受け渡していく使命を果たす」ということに外ならず、衆知を集め、後戻りすることなく進めていかねばならないという内局の強い決意が宗会において表明されました。

(2)財務方針について

 ① 宗務改革の必要性

 このたびの感染症が宗派財政に大きな影響を及ぼす中で、内局は、この機会を単なる緊縮一辺倒で終わるものにするのではなく、宗門が将来にわたって持続可能な組織体になるための転換点と受け止め、宗務改革への取り組みを一層加速させていくために「宗務改革推進本部職制(案)」を宗会に提出し、7月1日に宗務改革推進本部を設置しました。

 宗務改革とは、(ア)門徒戸数調査、(イ)教区及び組の改編、(ウ)行財政改革の3本柱で取り組むもので、とりわけ昨年の財務長演説で述べられた「宗務改革(行財政改革)の推進に向けて(内局案)」が去る6月の宗会(通常会)に提示されました。その理解促進のため、本年12月から来年1月にかけて各教区への内局巡回を実施する旨も表明されております。

 この宗務改革における「行財政改革」の内局案は、「門徒戸数調査」及び「教区及び組の改編」と切り離して実現可能なものではなく、3本の柱が連動し一体となって実を結ぶ改革です。

 2022年2月1日に実施される第4回門徒戸数調査、教区及び組の改編、2023年度以降の全国への宗派経常費御依頼額の割当基準の策定など、宗門の近未来を大きく左右する取り組みがここ2年間に集中しており、いま取り組まなければならない宗務改革とは、困難かつ大きな判断が求められるものであり、宗門の新たな形、持続可能な宗門を目指すうえで避けては通れない改革であると内局は表明しております。

 ② 行財政改革について

 そこで、まず宗務所(本山)で取り組む行財政改革の主な内容を申し上げます。(ア)機構面では、中央宗務機関の局制への改編、教化拠点としての教務所の役割の見直しや総合的な人事計画といった宗務機構の最適化が企図されています。また、(イ)教化面では、特に本山、教区、別院、組の役割分担を明確にし、教化事業の連動性や一体感をもたらすうえで、教区や組と重複していた本山主催研修会等は廃止する方向に舵が切られます。さらに本山教学研究機関と教区教学研鑽機関との連携など、未来に教えをつなぐ、教学振興と教化推進に向けた環境整備が行われてまいります。また、(ウ)財務面においては、予算規模の明確化、歳入構造の変成と交付金制度の見直し、宗門版「財政調整基金(仮称)」の設置、同朋会員志金に対する還付金や賦課金徴収諸費の減率措置、教務所員の住宅確保の原資として教区に交付されてきた地方事業補助の見直し、キャッシュレス化への対応、デジタルトランスフォーメーションの推進、新たな財源確保のための宗派不動産の活用や資産運用への取り組みなどを推進しようとするものです。

 宗会に提示された「宗務改革(行財政改革)の推進に向けて(内局案)」は31ページに及ぶものであり、去る7月6日の全国教区会正副議長会並びに7月8日の全国教区門徒会正副会長会においても配布され、その骨子をまとめた簡易資料も提示されました。その資料は本紙P146-147の「【宗務改革内局案】2021年6月宗会常会における内局提示資料」のとおりです。

 小職としては、宗務改革に係る内局の教区巡回に向けて、参事会・常任委員会を中心に「内局案」に関する意見交換の場を事前に設けるなど、今日の宗務改革の必要性を教区の皆様と共有していく努力を重ねてまいりたいと考えております。

 ③ 教区及び組の改編について

 昨年新教区として発足した九州教区では教区寺院活性化支援室が実働し、岐阜高山教区においては別院を中心としたエリア教化の実働等の歩みが進められております。また、奥羽・仙台・山形教区の改編では2022年7月に新教区として東北教区が発足します。さらに、富山・高岡教区の改編、小松・大聖寺教区の改編及び三条・高田教区の改編においては、2023年7月に新教区として発足する合意書が取り交わされております。

 また、長浜・京都教区、能登・金沢教区、山陽・四国教区のそれぞれの改編においても、引き続き地方協議会での協議が重ねられてまいります。なお、長浜・京都教区の改編協議の現状につきましては後段で述べさせていただきます。

 ④ 第4回門徒戸数調査及び調査結果の数値の使用と公開について

 2022年2月1日を調査期日とする第4回門徒戸数調査が実施されます。この調査は「門徒戸数調査に関する条例」に基づき実施されており、調査の目的は条例第2条に「調査は、寺院・教会及び別院に所属し、又は関係する門徒戸数を社会状況の変化に応じて宗門が的確に把握するとともに、御依頼割当基準策定に関する条例第2条第3項による教区毎の門徒の合計指数及びその他必要な数値を得るためにこれを実施し、もって宗門の財政基盤の確保並びに効果的な教化施策の展開を可能ならしめ、真宗同朋会運動の推進に資することを目的とする。」と定められています。

 中央門徒戸数調査委員会では、本年9月~11月までの間に教区を対象とする教区説明会を計画されており、京都教区では当該説明会に合わせて教区門徒戸数調査委員会を開催し、その後、調査期日までに教区調査委員会による各組説明会を実施する予定です。

 なお、教区説明会及び各組説明会の日程につきましては確定次第お知らせします。

 また、京都教区においては、宗派経常費御依頼額の各組割当基準及び教区費御依頼額の各組賦課基準の策定要素として調査で得られる「門徒指数」を使用しており、これまでの教区財政委員会の答申でも明らかなように今後も門徒指数を用いる方針です。したがいまして、これまでの調査結果と同様に、「第4回門徒戸数調査の調査結果の数値の使用並びに公開の件」を去る教区会並びに教区門徒会に上程し、ご可決いただきました。

5.2021年度京都教区の宗務執行方針及び財務方針

 2021年度は、2023年3月・4月に真宗本廟で厳修される宗祖親鸞聖人御誕生八百五十年・立教開宗八百年慶讃法要に向けての3年度目になります。京都教区においても既に慶讃事業推進委員会によって教区慶讃事業への取り組みが始まっており、また教区教化委員会においても慶讃法要テーマを教区教化テーマに掲げ、新たな教区教化体制による取り組みが推進されてまいります。

 また前に述べた宗務改革の一環である第4回門徒戸数調査の実施、長浜教区との改編協議の継続、行財政改革内局案の共有と理解の促進、教区財政委員会による2022年度以降の各組割当基準及び賦課基準の策定など、教区役職者の皆様に多大なご協力やご理解をいただかなければならない重要事項が山積しております。加えて、今年9月には任期満了による宗議会議員選挙が行われます。いずれも新型コロナウイルス感染症の影響下での取り組みとなりますが、宗派及び京都教区の未来の展望を拓くうえでも必要不可欠な重要事項ばかりであります。内容に応じてWeb(ウェブ)を用いて開催するなど可能な限りの創意工夫を行いながら精一杯事業の推進に努めてまいりますので、皆様のご理解とご協力、そしてご支援をお願い申し上げます。

(1)京都教区宗務執行方針

 ① 新たな教区教化体制の始動

 本年4月に開催された教区会並びに教区門徒会の臨時会において、「教区教化は教区人の手で」を願いとして京都教区教化委員会規則の一部が改正され、教区世論を代表する両会において承認を得た教化推進本部の本部長が教区教化の要となり、教区教化事業が推進されてまいります。

 また、教区教化事業の見直しの年度として位置づけた2020年度においては、教化推進本部を中心に、これまでの事業の点検・総括が行われ、これからの展望となる2021年度京都教区教化研修計画が教区教化委員会において決定されました。

 とりわけ、計画ではこれまで不明確であった教区教化における教区・地区・組の役割分担を明確にし、それぞれの事業が寺院の教化につながっていくことを指向するという方針が出されました。そのうえで、これまでの教化推進本部に設置されていた各小委員会の名称も、「人の育成」、「共同教化」の推進、「出向く教化」の実践など、事業内容に即した部会名称に改称して出発することが予定されています。

 また、教化委員会規則の一部改正にあたり課題とされた男女共同参画の推進に取り組むため、新たに「男女共同参画部会(仮称)」を設置し、男性中心で営まれてきた教団(寺院・組・地区・教区・宗派)の在り方を女性の意見を通して問い直し、性差を超えて、一人ひとりの存在を互いに尊びあえる関係性を開く取り組みが進められてまいります。

 教区教化委員長としては、これらの取り組みの中で互いに育ち育て合い、念仏申す者が誕生し、同朋社会が自ずと顕現されてくることを切に願う次第です。

 なお、教区教化事業の詳細は2021年度京都教区教化事業計画をご覧ください。

 また、今般、国法の一部改正に基づき寺院規則の役員欠格事項に係る規則改正を全寺院対象に行うことになりました。この機をとらえて各寺院においては「男女共同参画の推進に関する提言 教区教化委員会の受け止めと見解」(P75-77/教区教化委員会/2021年3月16日)の願いを受け止めていただくと共に、とりわけ1996年に、女性の住職就任を認める規則改正に伴い、各寺院規則第6条の「代表役員の資格」に係る「男子たる」の部分を改正(削除)する指示が既に出されておりますので、未改正寺院がある場合には組長より改正いただくよう組会員に併せてご指導ください。

 ② 教区慶讃事業について

 昨年度に設置された慶讃事業推進委員会には、総合調整部会、お待ち受け大会部会、教化広報部会、団体参拝部会の4つの専門部会が設置され、それぞれ実働されております。

 お待ち受け大会部会では、慶讃事業の第一歩として去る6月7日に教区同朋会議を開催し、慶讃テーマ「南無阿弥陀仏 人と生まれたことの意味をたずねていこう」の願いの確かめや各地区または組で予定されるお待ち受け大会に関する確認の場が持たれました。加えて、慶讃法要に向けた課題の一つである「真宗の仏事の回復」について、首都圏教化推進本部の本部員を講師に迎え、「仏事・葬儀は誰のために勤めるのか」を講題とし、私たちが平素勤めている葬儀や法事などの仏事において、いま回復すべきことは何かという課題への学びが行われました。

 教化広報部会では、法要への歩みを確かなものにしていくことを目的に、慶讃テーマから問われる私たちの課題や慶讃法要に向けた教区や組の取り組みなどの情報を掲載する『慶讃だより』(2021年5月1日/創刊号)の発行が開始されました。また現在、京都教区には設置されていない人の育成を課題とする教学研鑽機関の設置についても、共同教化・出向く教化に必要な人の育成などの観点も踏まえ、伝道研修会や拾学舎の現状を整理しながら検討されてまいります。

 団体参拝部会では、これまで宗務所(本山)の原案に基づき、各組団体参拝に関する聞き取りを行い、各組の参拝期日の調整及び決定がなされました。今後は2021年7月に宗務所から提示された団体参拝計画三次案に基づき教区団体参拝計画の作成に取り組まれます。

 なお、「2021年度京都教区宗祖親鸞聖人御誕生八百五十年・立教開宗八百年慶讃事業特別会計歳入歳出予算」につきましては、教区慶讃事業の推進に期する予算として総額1,822万2,000円を計上させていただきました。この予算は2021年度の単年度予算として計上しておりますが、教区慶讃事業が終了するまでの複数年度に渡って必要となる経費も予備費に組み入れております。

 ③ 第4回門徒戸数調査に係る門徒戸数調査委員会について

 2022年2月1日を調査期日とする第4回門徒戸数調査のため、教区門徒戸数調査委員会及び組門徒戸数調査委員会を開催し、調査に万全を期していただくことになります。

 教区門徒戸数調査委員会の委員については、「門徒戸数調査に関する条例」第25条第1項に、第1号委員:教区会議長及び教区会副議長、第2号委員:教区門徒会長及び教区門徒会副会長、第3号委員:組長と定められております。そして第4号委員は「教務所長が委嘱した委員」と規定されております。小職としては、この第4号委員に本年3月の組門徒会員の改選に伴い新たに選出された各組門徒会長を委嘱させていただき、教区と組の調査委員会の連動を担保し、組長と組門徒会長が両輪となって調査に取り組んでいただける体制を整えました。何卒宜しくお願い申し上げます。

 ④ 長浜教区と京都教区の「教区及び組の改編」について

 長浜教区と京都教区の「教区及び組の改編」の進捗状況については、2019年11月から12月にかけて地方協議会委員による各組説明会(43ヵ組)が両教区で行われ、説明会で出された課題の整理が両教区で行われました。感染症の影響により地方協議会が停滞した期間が長く続きましたが、現在、地方協議会に設置されている教化専門部会に加え、財務専門部会、組織専門部会が設置され、合意書(案)の策定に向けた作業が進められております。

 今後のスケジュールとしては、まず前の教区門徒会の改選により欠員となっている教区門徒会常任委員を教区会・教区門徒会の同意を得て教区改編委員に補充し、次回の教区改編委員会において地方協議会委員の補充選定を行います。その後、新たに組織される地方協議会において第2回目の「教区及び組の改編に関する各組説明会」(今秋11月~12月頃予定)に向けた協議が継続される予定です。

 なお、改編の合意に至るには、条例の定めにより両教区の教区会並びに教区門徒会の議決が必要です。また合意がなされた時には、両教区の教区会参事会並びに教区門徒会常任委員会で組織する新教区準備委員会において、新教区発足に向けた教区運営に係る協議を重ね、当該委員会における最終合意の議決を経て新教区の発足に至ることになります。教区改編については、組の改編をはじめとする様々な課題があり、教区会並びに教区門徒会のコンセンサスを図りながら進められますので、ご協力のほど宜しくお願いします。

(2)財務方針について

 ①教区財政委員会について

 まず、2020年度に教務所長から教区財政委員会に対して諮問させていただいた「2021年度京都教区宗派経常費御依頼額各組割当基準」並びに「2021年度京都教区教区費御依頼額各組賦課基準」並びに「2022年度以降の京都教区宗派経常費御依頼額各組割当基準及び同教区費御依頼額各組賦課基準について(中間報告)」の答申を去る5月21日に教区財政委員会山名彰心委員長からご提出いただきました。

 その委員会答申を受けて、2021年度の宗派経常費の各組への御依頼額及び教区費の賦課額につきましては、答申に示された基準に則り割当及び賦課させていただきます。何卒、ご理解くださり、ご懇念賜りますよう宜しくお願い申し上げます。 

 また、その基準に基づき2021年度の教区予算の編成も行いましたので、ご理解のほど重ねてお願い申し上げます。

 なお、今後、2021年度の教区財政委員会では、「2022年度以降の宗派経常費御依頼額各組割当基準及び同教区費御依頼額各組賦課基準について」の中間報告に示された方針を具現化する基準策定に引き続きお取り組みいただくことになります。

 とりわけ、経常費御依頼額の各組割当基準については、前財政委員会が示された門徒指数重視の方向性や教務所長各組巡回でいただいた意見等を踏まえ、「1門徒指数あたりの御依頼額の平準化」を課題とし、また教区費の賦課基準については、現行の均等割と門徒指数の2要素とその比率を課題として、募財の実効性と教区財政の安定性を考慮しつつ、長期展望に立った答申の策定にお取り組みいただきます。ここに教区財政委員の皆様に対しまして甚深の敬意を表すると共に篤く御礼申し上げる次第です。

 なお、このたびの教区財政委員会の中間報告及び宗派経常費御依頼額各組割当基準の策定要素として長年使用されてきた「持点」に関する教区財政委員会の現時点での見解についても、2021年度の割当基準と併せて本紙P35に掲載しております。

 ②2021年度教区予算編成方針並びに2021年度京都教区一般会計予算について

 次に2021年度京都教区一般会計予算については総額9,230万円、前年度比790万円の増額で編成いたしました。

 歳入面では、前年度の宗派経常費御依頼額に大きく影響を受ける教化交付金が減額となり、前年度比340万円、2019年度比875万円の大幅な減額となります。

 教化交付金の減額は、昨年度の全国への宗派経常費御依頼額が新型コロナウイルス感染症の影響により10億円減じられたこと、また、京都教区への宗派経常費御依頼額が段階的に引き下げられているためであり、この傾向は来年度以降も続くものとなります。

 加えて宗派からの教化助成金・教務所運営助成金も廃止や減額傾向にあることから、今後の安定的な教区運営のためには、歳出内容の見直しと併せて、これらの歳入減を賄う教区費の増額が必要になります。

 ただし、今年度は、前年度に講じた予備費の積み増し措置及び事業の未執行による繰越金を多く確保できたこと、また賦課金の徴収諸費を教区で使用するよう用途を変更したことにより、教区費を増額することなく予算を編成することができました。

 一方、歳出の面では、教学費については昨年度比600万円の増額となります。教区教化事業については、昨年度を点検・総括の年度とし多くの事業を休止しておりましたが、今年度より新たな教化体制による教化事業が実働すること、また、各地区・各組において計画されている教化事業に対する助成金、補助金を例年どおりとすることにより、600万円を増額いたしました。

 各款にある会議費(教化関係、議会・委員会関係、教務所運営関係)については、書面又はWebによる会議形態を執ることが可能なものについては積極的に活用していくこととし、総額100万円の減額にて予算化いたしました。

 また、来年度以降も想定される教化交付金の減額傾向に対応するため、予備費への積み増しを今年度も行うことといたします。京都教区にある10の諸会計への回付金は、それぞれの会計状況を見定めながら必要欠くべからざる額のみを回付し、残額はすべて予備費に計上しております。

6.宗議会議員選挙について

 任期満了に伴う宗議会議員選挙が来る2021年9月13日に実施される予定です。来る8月3日には第1回目の教区選挙管理会を開催し、選挙事務を開始させていただきます。各投票区においては区内の組長に投票管理者になっていただくなど、何かとご協力賜ることがございますので、その折には何卒宜しくお願い申し上げます。

 なお、宗議会議員は、参議会議員と並んで本派の意思決定を行う宗会(最高議決機関)において重責を担われます。小職としても教区選挙管理事務長として万遺漏なきよう務めてまいる所存です。

 以上、宗派の宗務執行方針及び財務方針並びに教区の宗務執行方針及び財務方針について、重要事項に絞って申し上げました。

7.最後に

 最後に、私の教務所長としての所感を述べて挨拶を結ばせていただきます。

 出典は定かではありませんが、かつて安田理深先生が宗門の改革について述べられた一節を読んだことがあります。それは、「宗門は長い歴史を経て今日に至っている。その歴史が長い分だけ反って改革することの困難さがある。」という論旨であったと記憶します。

 しかし、今、私たちは改革せざるを得ないという厳しい時代に突入しています。そのように認識しているのは私だけではなく、皆様もそうであるに違いありません。宗務改革の目的は、「次世代に教えを受け渡していく使命を果たす」ということに外ならず、前の宗務総長演説は曽我量深先生の「逆縁教興」という言葉で結ばれております。また、池田勇諦先生は「知らしめられた恩徳を、遇わせていただいた教えを、次の世代に確かに手渡していかねばならんという使命感に立ち上がること」が「慶讃法要」の意義であると明言くださいました。

 「次世代に教えを受け渡していかねばならない」という使命感に立ち上がり、変えるべきことは変えるという決断を迫られているのが「今という時」であるように思います。変化することへの恐れや抵抗感は誰にでも起こります。しかし、組織体制や財務制度などの変化は社会環境の変化に応じて変化することが必然です。ただし、何が起ころうとも、変わってはならない、忘れてはならないことがあります。それが何かということが明確になっているのかが、私たちの一番の問題です。

 宗門の、教区の、組の、寺院の、そして私の根本になくてはならない「弥陀の本願を信じ、同朋社会の実現に期する」という精神。私は、この1点を見失わずに、皆様と共に大変革の時代に臨んでまいりたいと存じます。


京都教区会議長/深尾 浄信

「ともの同朋にもねんごろのこころのおわしましあわばこそ」

 教区の皆様方にはますますご清祥のこととお喜び申し上げます。

 平素は、教区の運営並びに教化にご理解とご支援をいただき厚くお礼申し上げます。

 まず初めに、未だ、終息どころか、収束の兆しさえおぼつか無い新型コロナウイルス感染症によってお亡くなりになった全ての方々に深く哀悼の意を表しますとともに、この厳しい状況の中でご尽力いただいている医療従事者の方々をはじめ、対策、対応に日夜取り組まれている各関係の皆様に、衷心より敬意と感謝を申し上げます。

 地域福祉にあっては、自粛ムードから正しく感染症と向き合いながらふれあいサロンをはじめとする「いい集い」の場が豊かな経験と工夫をもって再開されつつあり、また、お寺参りや御講での出会いを歓びとされるつながりもよみがえり、紡がれつつあります。

 御開山聖人は、「念仏に生きる者は、他のものに信頼と尊敬の念をもって、敬愛しあって生きていくこと」が念仏して往生をねがうしるしであると示され、人と人が寄り合い、寄り添うことの大切さを述べておられます。

 いみじくも私ども京都教区では、教区教化委員会規則が改正され「教区教化は教区人の手で」を願いに、新たな教化体制が始動します。教区、地区、組の役割を確かめつつ交錯・連動して、真の「共創力」を活かせていく場が念仏道場(本堂)に他ならないことを一人ひとりが明らかにしていかなければならないと存じます。大変な状況下でありますが、各組、各地区における状況を見据え、今日までを総括しながら、迎えます宗祖親鸞聖人御誕生八百五十年・立教開宗八百年慶讃法要の意義を訪ねつつ、協働する取り組みが共生環境を構築していくご縁になるものと思います。

 併せて、少子高齢、人口減少等の社会的変化や「聖空間の喪失」といわれるお内仏を持たない生活様式への変化など、変容する時代の流れや転換期にあって、宗門においては「宗務改革(行財政改革)の推進に向けて【内局案】」が示されました。これから論議が深められることとなりますが、社会情勢・環境の変革も見据えていかなければならない課題意識が問われているのではないでしょうか。

 このような中、長浜教区と京都教区との教区改編委員会「地方協議会」において合意事項の協議が重ねられていますが、こうした危機感と変わらざるを得ない視点に立ち、多くの人が協働し、新たな根底となるものの見方を創造することが大切ではないでしょうか。

 改めてこうした時代にある自覚と覚悟を共有して「教えを手渡していける」歩みを進めて行こうではありませんか。

 教区の皆様、ご理解、ご協力をよろしくお願い申し上げます。


京都教区門徒会長/田中 正章

「躍動する真宗」

 平素は、教区門徒会の運営並びに教化事業の推進に格別のご支援、ご協力を賜り厚くお礼申し上げます。

 この度、中野教区門徒会長のご勇退に伴い、後任として大役を担うことになりました。重責を果たすべく微力ながら精一杯努めて参りますので、ご指導、ご鞭撻の程宜しくお願い致します。

 さて、但馬宗務総長は、2021年度の宗務総長演説において「立教開宗の精神」と「宗門存立の本義」に立ち返り、将来に向かって持続可能な基盤整備を図るため、宗務改革の必要性を提起されております。また、「人間とは何か」「何に依って生きていくのか」という宗教の原点とすべき「生きる方向性」が問われる時代が到来していると示されました。

 現代は、生きる意味や存在の価値を考え直さなければならない大変厳しいものがあります。価値というものは初めからあるわけではなく、ある条件の下に生じて来るものだろうと思います。その価値で連関されているのが、私たち社会のあり様です。例えば仕事など、その社会の中で為すことに責任が生まれ、責任を果たすことが生きがいになり、生きる意味も感じとることができる、こういうあり方が現代のあり方なのではないでしょうか。

 そういう現代にあって、「同朋社会の実現」や「人の誕生と場の創造」に向けて、私たち真宗門徒はそれぞれの立場を超え、本当に対話がなされているのか、そのことが最も大切なように思われます。

 「本願念仏に生きる人」を生み出していく「場」を創造し、念仏を縁としてそこに集い、共に仏法を聴聞する一人ひとりの念仏が互いに和み満ちている。私はそれこそが真宗大谷派宗門に求められる本来のあるべき姿だろうと思います。しかしながら意識過剰な態度や、自己保身に意識が集中するあまり閉塞感が生じ対話する素地も充分整っていないように考えます。このことが、寺院への親しみを希薄にするばかりか若者の寺離れにまで影響し、危機的な状況を生みだしてきたのではないでしょうか。

 私は「場の創造」という重要課題に向きあううえで、多角的な視野から共同教化の「場」の充実を模索するような意識改革が必要なのだと思います。教化の充実が求められていることを認識しつつ、時代や地域特性に相応した教化のあり方を問い続けてまいります。

 宗祖親鸞聖人御誕生八百五十年・立教開宗八百年慶讃法要厳修まで二年を切りました。これを契機に各地区または各組での「お待ち受け大会」等の実施を通して、本山・教区(組)・門徒が一体となって難局に取り組んでいけば、必ずや明日の「光」が見えてくるものと確信しております。

 今年度も多くの課題を抱えながら「絆」をもって、教化の推進に邁進してまいりたいと存じます。

 以上をもちまして会長就任のご挨拶とさせていただきます。


京都教区教化推進本部長/沙加戸 崇

「教化の場としての教区」

 この度、教化推進本部本部長を拝命いたしました。誠に浅学の身であり、力及ばないことでありますが、教区の教化活動に精一杯力を尽くしてまいる所存です。ご指導ご鞭撻のほど、何卒よろしくお願い申し上げます。

 これまでは、特に本部長が決まる手続きは明確に規定されていませんでしたが、今回あらたに教化推進本部を立ち上げるにあたり、教区教化委員会規則が一部変更され、本部長の選定については2021年6月の教区教化委員会総会の互選及び7月の教区会・教区門徒会の承認という手続きを経ています。これは「教区教化は教区人の手で」という今まであった言葉をもう一度捉え直し、そのことを具体化できるシステムと責任を明確化することであり、それは本部長1人を決めることだけではなく、教化推進本部の責任を明確にすることでもあります。その責任のもと、従来の教化事業や機能的に不十分なところをさらに見直し、進めて参りたいと思います。

 「出向く教化」や「男女共同参画部会(仮)」等の新しい取り組みも始まりますので、常に「教区教化は教区人の手で」作り上げるという願いを大切に、教化の場としての教区を皆様と共々に作り上げて参りたいと存じます。

 さて今年度は、通常の任期から言えば一年遅れで教化推進本部が立ち上がりました。よって2022年度末までの2年間が任期となりますが、その期間はいうまでもなく宗祖親鸞聖人御誕生八百五十年・立教開宗八百年慶讃法要が厳修されるまでの期間でもあります。法要に向けて、テーマ「南無阿弥陀仏 人と生まれたことの意味をたずねていこう」のもと教区としての歩みを進めなければなりません。その責任は重大ですが、これを一つの大きなチャンスと捉え、「教区教化は教区人の手で」作り上げていくことをスローガンとし、教化の場としての教区を作って参りたいと存じます。多くの教区の人に関わっていただき、教化の場を作るお役を担っていただきたいと思います。

 昨年の1月、新型コロナウイルス感染症が蔓延する直前に「青少幼年教化各組代表者研修会」が実施され、児童教化、子ども会に関心のある方にお集まりいただきました。教区事業に初めて参加される方も多くおられましたが、そこに新たな出遇いによる大きな可能性を見る事ができました。新たに参加された方、以前から関わってこられた方、そこに次の展開が感じられる時、教化の場としてはたらく新たな動きがあるように思います。

 これまでの教区の取り組みをもとに、各地区・各組と連携を深めながら、新たな広がりを作って参りたいと存じますので、何卒ご支援ご協力をお願い申し上げます。

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